表計算ソフト
先ずは雑話から。
表計算ソフトの最初はビジカルクというソフトで
これは経営学を学ぶ学生が、企業シュミレーション処理で同じ計算を何度もしなければならないのが、
大変だった為に作り上げたというのは、有名な話です。

初期のパソコンが普及し始めたのはこのソフトに負うことが多かったと思います。
ビジカルクが使いたいからパソコンを買うという動機付けになった訳です。
これはappleのLISAというパソコン上で動作するものでした。

英文ワープロは既に記したように、英語圏ではEMACS、或いはWordstar が使われていましたが、
タイプライターの普及率が高かったため、この表計算ソフトの方がパソコン普及に貢献したというのは、
日本と歴史が違う訳で、面白い点だと思います。

パソコンはこの意味で、表計算ソフトと共に歴史を築いてきたとも云えます。
これをdos上に移植したのがmicrosoftのマルチプランでした。
マルチプランは、ショートカットキーやコマンド入力に依存する部分が多かったソフトで、
慣れればこの方が便利で速いのですが、初心者には使い難いと感じることも多く、
この面を改善して、その後ロータスが1・2・3というソフトを発表しました。
dos時代はこの2つの表計算ソフトで、競い合っていました。

当時、ソフトのコピー問題、それに伴う、コピープロテクトが話題になっていましたが、
このプロテクトを最初に外してopenで提供したのがマルチプランでした。

Win3.1発表前後、マルチプランはExcelとして生まれ変わります。
インターフェースの統一、グラフ機能の強化など改善され、現在Top普及率を誇っています。
無論これは、おまけで付いてくるという戦略にもよります。

余談ついでに、
表計算ソフトが出るまで、データー処理はデーターベースソフトを使っていました。
Db2(データーベース2)が中心でしたが、これは殆どコマンド入力で操作するソフトで、
このコマンドを組み合わせてプログラムを組み立てるという事が、商売として成り立つほど
専門的な知識を要求したソフトで、こういう商売をするソフトハウスをサードパーティーと呼びますが、
表計算ソフトの出現で、一気に仕事が減ったのではないかと思います。

簡単なデーター処理や、シュミレーション処理などは殆どこの表計算ソフトが担い、
やや複雑で、データー件数の多い処理はデーターベースソフトが担うという棲み分けが出来てきた訳です。
ExcelとAccessの関係のようなものです。で、現在のサードパーティは、VisualBasicやVisualCを使い
ソフト開発しているわけですが、その雛形は,Access等に組み込まれていますから、非常に楽になっています。

言ってしまえば、なーんも考えなくてもプログラム組める訳で、
「日本の古本屋」のデーターベース入力システムも同じたぐいな訳です。
(2万円なんてとんでもなく高いのでしつこく記す私)
もっと呆れる程高いプログラムを買ってしまっている古書店もあったな〜。そういえば。(^○^)

VBのプロバージョンでも6万で買えるし、かのノートンでも2万なんてしない。
更にしつこく、ついでに言うと行政機関などが外注するソフトも異常に高いけれど、やってることは上記と同じ。
sigh!
雑話ついでに、昨今の新刊書にはISBNコードとJANコードが付いています。
一度は誰しも、これが使えないかと考えるようですが、先ずムダです。
ISBNコードは、国名−出版社−書籍−チェックという数値の並びですが、
例えば「09」と表示するより、「小学館」と表示する方が誰にとっても解りやすいわけです。
JANはバーコード読みとり用ですが、3年更新ですから殆ど使いようがない。
こういうコードは、あくまで供給側の都合で作られているものです。

これらはいずれも、日本語OCR(光学読みとり装置)の精度が上がり実用段階に入れば
いずれ消え去っていくものだと私は見ています。
こういうコード化が本当に便利なものであるなら、ワープロの日本語入力は今でもコード入力であったはずで
そんなものは、人にとって使いにくいものでしかないということを、こういう規格を考える人は考慮しないのでしょう。

図書館分類コードも、日本の古本屋の分類コードも、私から見ると同じ穴の狢です。
コンピューター技術は人間の側に近づいてくるように開発されるべきものであると考えているからであり、
現実にその様な方向に進んできているからこそ、広く使われるようになって来ているのです。
この意味では、これからの注目は音声入力でしょうね。
PC/AT互換機いわゆるDOS-V機もそうでしたが、IBMの底力を改めて感じます。

追記)
上で、ムダと記しましたが、古書Projectでは、ISBNコードを拡張することにより、全書籍のコード化を目論んでいます。
拡張というのは、旧書籍出版コードや、全国書誌番号を書籍コードとして取り込むことにより
古書の完全なデーターベース化を行おうという試みです。
2年余り、様々なコードを調べまくり、実験し、どうにか実用化の目処が立ち始めています。

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