データベースソフト、Access−その1
先ずは例によって雑話から。
データベースソフトとして、長い間中心であったのは、
その名もズバリ、「データベース」というソフトでした。
db1、db2,db3、db4、と進化し、当初の殆どプログラム言語的仕様から、
使いやすいものに進化してきましたが、データ自体の仕様は殆ど変わりなく、
20年以上も継続して使うことが出来たのです。
CSV形式というのはこの様にして標準化されてきたことは既に記しました。

表計算ソフトの中心がExcelになったことに伴い、
データベースソフトとしてExcelと相性の良いものがAccessで、
今では、Accessが多く使われるようになって来ています。
まだ先の話ですが、目録点数が 5000点を超えたら、Accessの利用を考えるべきでしょう。

Accessが便利なのは、Excelで作成したデータファイルを、そのままインポートリンクして使うことが出来る点で、
ファイルの結合、データの抽出など、自由にデータ処理を行うことが出来ます。
(インポートリンクの際必要なことは、Excelファイルでシートを1枚だけにしておくことです。
ExcelファイルのBookは仮想的なものであり、中に作られる複数シートは実際にはそれぞれ別途のデーターファイルです。
この為、常時リンクのためには、シート1枚でリンクファイルの指定をしないと、常時リンクが成立しません。)


Rotus123やdb、或いは桐や三四郎など、アプリはどう変わっても、
CSVベースにしておけば全然問題無いことは云うまでもありません。

Excelは元来、シュミレーションや集計処理などに使うソフトで、本格的なデータベースソフトではありません。
表計算ソフトとデータベースソフトの垣根は段々低くなってきていますが、
それでも、本格的にデータ管理しようとすると、ExcelはAccessにはかないませんし、
一方、計算処理などではAccessはExcelに到底かないません。
両者は、同じデータ処理を扱うにしても、その目的とする方向が違う為ですが、
両方を使いこなせれば、殆どのデータ処理作業は、こなせます。

更に先の話をすると、プログラム言語ソフトの VisualBASICを併用すると、パソコン上で行う殆どの作業は
出来てしまうようになります。
(無論VisualC++でも構わないのですが、ExcelやAccessのマクロ機能は、VBをベースにしているので、
VCよりVBの方が相性がよいのです)
ちなみに私は、Cに関してはLet'sCを昔から使っています。超マイナー(^^ゞ
Emacsと相性が良く、Cらしくて好きなのです。VCが主流になっていますけれど、何となく馴染めません。


古書の目録データファイルをExcelでまず作りましょうと云っているのは、
こういう将来に渡る作業の行方を見ているからです。
先般、某古書店主達から色々聞かれたのですが、Excelで目録データ作成していても、
点数が増えたら、そのままAccessに移行できます。
Accessは本格的なリレーショナルデータベースソフトで、その機能はかなり柔軟ですが、
始めからこれを使うのには多少取っつきにくい面があると思います。
ある程度の予備知識を要求するからです。
(例えばファイルの結合にはユニオンクエリーを使いますが、これはプログラムのような記述がいります)

Excelが使いこなせるようになった頃には目録点数も増え、ある程度データ管理というものも解ってくるでしょうから、
その時始めてAccessに処理を移行すれば良いわけです。
(データ入力作業はExcelの方が楽です)

それを、いきなりAccessで始めたのでは、殆ど使いこなせずに、お仕着せ状態で使い続けることになりかねません。
幾つかのサイトを見ていて、そんなことを感じます。
つまり、誰かに、仕様を作ってもらって、使ってはいるけれど、実は全然応用が利かない状態のままでいる。
そんな感じですね。
これではいつまで経っても、自分のデータになりません。

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